わたらせ渓谷鉄道で足尾へ

10月26日、雲一つない青空を眺めて、ちょっと出かけようと思い立ち、少し紅葉には少し早いかと思ったのですが、「わたらせ渓谷鉄道」に乗って見ることにしました。

小山から両毛線で桐生、ここからわたらせ渓谷鉄道に乗り換えです。桐生からディーゼルの2両連結のこぢんまりとした列車に半分ほどの乗客。もっとも、途中から紅葉目当てのツアー客の団体が乗り込んで空席はすべて埋まりました。さて、肝心の紅葉ですが、せいぜい1分というのでしょうか。ちらほらと
赤や黄色に色づいた木を見つけられる程度でしかありませんでした。紅葉の見頃は温暖化の影響か、年々遅くなっていて、今では11月に入ってからだと、車内放送。

足尾は、今は日光市に合併されましたが、足尾銅山が閉山されてから人口は減る一方。残された坑道や、煙害で嶮しいはげ山になった「日本のグランドキャニオン」などが観光の目玉となっているだけのようでした。

足尾では、その廃坑を活かして、かつての採鉱の模様を人形で再現してみせる所だけを見て帰りました。

紅葉はまだ早かったけれど、川幅や流れや河岸が変わっていく渡良瀬川の渓谷を眺めたのは、収穫だったと思います。




高崎と小山を結ぶ両毛線に乗るたび、ここは関東平野なんだなあと思います。

地平線に沿って遙かに遠い山地が、かすかに見えるだけです。



わたらせ渓谷鉄道は、織物の町桐生から足尾町の間藤まで、44kmを17駅で結びます。

国鉄足尾線が平成元年から第三セクターで運営されています。
「みんなで渓谷鉄道乗ろう」などの運動も展開して、存続を図っていますが、矢張り運営は厳しいのでしょう。



ジーゼルの2両連結車輌のワンマンカーです。
この日の乗車率はおよそ半分くらいだったでしょうか?

車体に描かれた絵、幽霊かと見間違えました。
幽霊ではないけれど、さて?



列車(2輌だから列車)は間もなく渡良瀬川にそって、次第に標高を上げていきます。

この辺りは合併して「みどり市」になった由、なるほどほとんど緑に覆われた町だからでしょうが?



かつて鉱毒が流れていた川は、今は「清流」になったのでしょうか。



ひなびた山里には、色づいた柿があちこちに見えました。すすきの穂もでて、確かに秋の風景です。



段々上流になると、渡良瀬川は巨石がごろごろしています。
車内放送で「白御影石」だと説明をしていました。





何となく木々に赤い色が交じっているようです。
種類によって紅葉の時期が異なるのでしょうか。

この頃、団体客が乗り込んで来て、空席がなくなりました。



5200mの長いトンネルをくぐり抜けて間もなく、群馬県から栃木県に入ります。

足尾の町に入る前に車窓から廃工場が見えました。足尾銅山の選鉱場跡です。明治18年に設置されたそうです。

どういう訳か、町の案内図にはここは載せてありません。理由があるんでしょうね。



足尾駅の一つ手前「通洞」駅で降りました。足尾の観光の目玉の「銅山観光」がここにあるからです。

銅山閉山のあと、町の振興策として巨費を投じて観光の拠点に作ったものです。

12時を廻っていたので、昼食のために店を探しましたが、さびしい町で、見あたりません。

銅山観光に駐車場には、観光バスが11台。


川口市の小学生の団体のあと、観光用のトロッコにのって、この坑口から150m程入り、そのあとは550mほど歩いて坑道を一回りしまた。

400年間にわたって掘り開いた坑道の総延長は1234km、東京から博多までの距離に達したとパンフに書かれていました。

そのほんの一部分がこうして観光のお役に立っているのでしょう。
 


坑道を進むと、あちこちに、江戸から昭和と時代をおって、当時の作業の様子が人形を使って展示してあります。掘る、運ぶ、坑道を支えるなど、それぞれの分担で作業している人形がボタンで動くようになっていました

これは江戸時代の手堀の人形だったかなあ?




一巡してくると、そこには江戸時代の精錬の様子が展示してありました。

江戸時代の1741年から二千万枚の「寛永通宝」がここで作られていたのだそうで、裏面に「足」の一字が刻まれていたそうです。

鋳銭座というところでは、貨幣が完成するまでの作業の様子が人形を使って説明されていました。



この銅山観光だけ見て、帰途につきました。
時間がないので、日本のグランドキャニオンは断念

帰りもまた渓谷を見下ろし、紅葉の最盛期にはさぞかし色鮮やかなんだろうなと想像していました。

お土産は湿気よけになるという銅製の茶匙だけ。



通洞を出るときはパラパラだった車内が、途中からまだツアー客の一団が乗り込んで、満席。

お目当ては紅葉の渓谷美と「富張美術館」のようでした。身障者となって、口に加えた筆で絵を描く星野富弘の美術館が足尾、桐生線の途中にあり、多くの人が見学に来ているようです。



夕暮れの思川を渡ると、間もなく小山です。
足尾は案外遠く感じました。
思川は、渡良瀬遊水池の中で渡良瀬川に流れ込みます。

本日の経費(ひとり)
JR運賃の他に   渓谷鉄道2040円
入坑料  800円  昼食    540円
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お土産  350円  おーいお茶130円
 

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