歓迎しないお客様
住宅地の中の我が家ですが、わずか十本ほどの大小の庭木があるだけの小さな小さな庭にも、冬になると様々な小鳥のお客様がやって来てくれていました。そうです、過去形です。スズメ、シジュウカラ、ウグイス、メジロ、クロジ、オナガ、ジョウビタキ、カラス、ヒヨドリ……。この冬は小鳥の姿はほとんど見かけません。近隣の環境が変わって野鳥が少なくなったのでしょうか。いえ、それは、我が家の餌台の餌がずっと空っぽ、水入れも空っぽのままでは、小鳥たちも来ては呉れません。メジロが好きな蜜柑も林檎の芯や皮も、今年は一度も提供していません。それはあちこちで発生している鳥インフルエンザがなんとなく気がかりだからです。身近なところで飛び回っている雀さえも姿を見せません。山茶花の花は今年も変わらずに咲いているのに、蜜を吸いに来ていた小鳥も見向きもしなくなったのでしょう。

ところが、来てほしくない鳥が一種、今年もやって来ました。小鳥とはいえない20cmはあろうかという大きさで、羽の色も冴えないヒヨドリです。こいつは、全く憎らしい奴で、他の小鳥が来ていた頃には、隣家の琵琶の木陰からやって来て、「ここは俺の縄張りだ」と言わんばかりに追い払ったり、また、餌台に居座ったままで、水飲みに来る小鳥も寄せ付けませんでした。

そんなヒヨドリだけが、今年もせっせとやってくるのです。此奴の目当ては、プランターに植えられた数鉢のブロッコリーとカリフラワー。それに今年初めて植えたブロッコリーとケールを組み合わせたというアレッタが目当てです。アレッタは蕾だけでなく、茎や葉もおいしいそうですが、食べたことはありません。人間が食べる前にヒヨドリが召し上がってしまっで、ほとんど茎だけが残るばかりです。無農薬有機栽培のブロッコリーやカリフラワーの葉も、ヒヨドリは安心して食い散らすのです。寒冷紗を掛けてみましたが、手遅れのようで、蕾も葉がなくては大きくはなりません。収穫したのは一つだけ。           
なんとかヒヨドリを追い払うことはできないかと思案してみましたが、よい手立てが見つかりません。たまたまヒヨドリの影を見かけたら、ガラス戸を叩いて驚かすばかりです。何かよい知恵はないでしょうか。

小さな畑で育てていたニンジンの葉がほとんどなくなってしまいました。アゲハの幼虫が食草にするので、気を付けていたのですが、色鮮やかな幼虫は、私の注意散漫の眼にも気がつくはずですが、今年は一度も見かけません。一体、何が葉を食い荒らすのか見当がつきかないまま、葉がほとんどないニンジンでも収穫はしました。ニンジンも小さいし、色も淡く、味もおいしい筈はありません。プランターのブロッコリーの被害を見て、畑のニンジンの葉の被害は、虫害ではなく鳥害ではないかと思いつきましたが、その犯行現場は押さえてはいません。何年も作り続けてきたのに、今年が初めての被害。おいしくもないそのニンジンを少しずつ食べています。

戻る

inserted by FC2 system