人生最後のカメラを買う
先日、新しいカメラを買い求めました。ポケットに入るような小さなデジタルカメラです。今まで使っていたカメラは、旅先で躓いた拍子に、つい落としてしまい故障してしまったのです。故障といっても、レンズカバーが閉じなくなっただけで、撮影は通常にできるのですが、レンズがむき出しのままでは、収納も困ります。それに、シャッターボタンと動画ボタンが並んでいて、静止画をとるつもりなのに、動画ボタンを押し間違えることが度々あったので、修理にも出さず手放しました。

このカメラの他にも、使わない古いデジカメが三つあったので、それも下取りをして貰って、新しいカメラを買ったのです。どれも撮影はきちんとできるのですが、買い取り価格はどれも金50円也。それに、かつて野鳥観察に使っていた高級の(?)のフィールドスコープも下取りに出したのですが、これは1万円でした。付属品一切が付いているのですから、もしオークションに掛ければ倍か3倍以上?

私のカメラは、旅の記録とか、身の回りの季節感の写真程度ですし、重いカメラを持ち歩く気力も体力もないので、新しいカメラも、格安のコンパクトのデジカメです。なんでもネットでも一番人気とか。私が選んだのは、価格と大きさと重さ、それにズームの倍率です。

これまでも、顔の認証とか赤目の修正とか手ぶれ補正とか……いろいろな機能がありました。新しいカメラの説明書を開いてびっくり、最近のカメラは、こんな機能まで盛り込んでいるのかと。まだ全容は理解していませんが、人が動いている、笑っている、寝ている、赤ちゃんが、子どもが……と状況を判断して最適の条件で撮影するそうです。また、オートシャッターという機能があり、これは被写体の条件によってシャッターが自動で切られるというそうです。笑うと、ウインクすると、人数が増える(撮影者など)等の状況の変化を捉えて自動でシャッターが切られるとか。この他スマホをリモコンシャッターにする、漢字入力までできるなど、様々な機能が盛りだくさんのようですが、とうてい全部の機能は使いこなせるものではありません。私はフィルム時代と変わらない、ごく単純な撮影ができればそれで満足です。

この人生最後のカメラは、私の何台目のカメラになるのかと振り返ってみました。初代は浪人中にアルバイト代で買った「ビューティ」というカメラ。60年以上前ですから、勿論フィルム。このカメラでアルバイトの仕事に使っていました。大学時代もずっとお役に立っていました。就職してから買ったのは、全部は忘れましたが、キャノン、オリンパス、リコー、ニコン、ペンタックス、パナソニックなどのカメラです。なぜ買い直していたのか、自分で自分の行動がわかりません。

そのほか、「トプコンフォースマン」というブローニーのフィルムを使う大型カメラをカメラバックで担いで、旅先の集合写真に使いました。その頃は体力もあったのです。また、オリンパスのカメラは、望遠、広角、マクロレンズ、ベローズ、顕微鏡撮影セット、リモコン……、様々なものも買いそろえた覚えがあります。その頃は、フィルムの現像、引き伸ばしも、パネル張りも自分で。はじめは職場の暗室で、やがて引き伸ばし機など一式買いそろえて自宅で作業をしていました。職場の仲間と写真展を開くなどもしました。その頃の遺物は、秩父の三峯山の全紙のパネル一つと、今は園芸用の土の混和に使っている現像などに使った全紙用の大型バット三つだけです。
新しいカメラで庭先に咲き出した福寿草を撮ってみました。変わりばえもありません。
       

戻る

inserted by FC2 system