凍瘡の名医を求む
凍瘡、そう、霜焼けのことです。私は数年前から足の指の凍瘡に悩まされています。年々症状が重くなり、昨年は真夏の暑い日を迎えても、症状は軽くはなりましたが、完治することはありませんでした。

子どもの頃も耳朶や手の甲、頬などが霜焼けになり、悪化すると出血するようになったことも経験しました。周りの子どもの多くも、大概同じような有様で、医師の治療を受けることも、自分で手当をするわけでもなく、暖かくなって自然治癒に任せていたように思います。今では、道路で行き交う小学生の集団を見ても、霜焼けになどなっているような子は一人もいないようです。生活環境や栄養状態など、様々な条件が数十年前とは違うためでしょう。霜焼けの兆候を見逃して放置する親もいないはずです。

耳や頬が凍瘡になると、見かけは悪いが、それほど生活に支障はなかったのでしょうが、足の指が凍瘡になると、実に不便きわまりないのです。凍瘡は温度の変化があると痛み出します。熱いのも冷たいのも痛くなります。風呂に入ろうとして浴槽に足を入れると『ァ痛ッ』と、急いで足を出すしかないのです。程度がまだ軽いうちは、軽傷の足をいったん入れ、身を沈めると直ぐ、両足先を湯から出して温まるのです。この方法も、先に入れる足が軽いうちだけで、そのうちにこれはできなくなります。

昨年は真夏の頃に多分数回だったでしょうか、浴槽に身を沈めることができたのは。以来、足に湯にかからないようにして、シャワーを浴びるだけです。湯桶に体温ほどに湯を薄めて、霜焼けの足をおそるおそる洗っています。寒くなると、浴室の暖房を掛けて暖かくし、手早く体を洗って飛び出し……こんなことを今も続けています。ネットで調べたら、霜焼けを治すのに、熱い湯と冷たい水に交互に入れるという方法がありましたが、とんでもありません。絶対真似をしてはだめです。

漢方薬がいいとか、五本指の靴下がいいとか、様々な情報が溢れていますが、誰にも有効とは言えないようです。五本指靴下は以前利用していまし、市販の薬も試しましがたが、これもある程度軽症の場合だけで重症には合わないようです。皮膚科の医師が処方した塗り薬と飲み薬のビタミンE錠を続けていますが、効果があるのかないのかわかりません。医師は『暖かくなると治るから』と宣います。別の皮膚科にもかかったことがありますが、治療は全く同じ。日本の医学は少しも進歩していないのでしょうか。

足の指先が霜焼けになると、靴が履けなくなりました。歩き出すとどうしても霜焼けの指に靴が当たるので、傷みます。直ぐ近くへ歩き出すには、つま先の空いたサンダルを履くしかありません。サンダル履きなら自転車にも乗れますが、これって交通法規違反でしょうか。つま先の余裕のある大きめの靴を新たに買い求めました。これならつま先は当たらないので痛みません。しかし、靴を動かないようにしているのは足首。つま先に変わって足首が痛むのです。今では、激しくはないのですがいつも痛みを感じます。これでは当分遠出は諦めるしかないようです。

以前、道路を歩いてインターバル速歩という運動をしていましたが、できなくなりました。室内なら靴を履かないので痛みません。そこで、狭い家の中をあっちへこっちへとぐるぐる回りながら体操を続けて来ました。指先を少し持ち上げて指先に刺激を与えないようにしているのですが、これもどうやら限界のようです。かばうと言うことは、何かが代わりに負担する事ですから、指先にかかるべき力を、拇指球(親指の付け根の膨らみ)のあたりが体の重みを踵と共に支えます。やがて拇指球に痛みが起こります。結局、おとなしく歩き回らないようにしているしかないようです。

指先の機能はバランスをとるのに重要な役目を負っているのでしょう。指先を上げて歩いていると、なんとなく体のバランスが心許ないのです。高齢になってバランス感覚が鈍くなってきている上ですから、一層注意が必要です。例年ですと、春が来た頃から、紫色に変色した指の皮膚が破れて出血するようになります。抗生物質の出番になりますが、バランスの方も更に気を付けなければなりません。
足の霜焼けは、血流が悪くなって発症するそうです。霜焼けだけではなく、しびれたり、つったりするのも血流が原因だそうで、足の三重奏解消のために、テレビで仕入れた血流を促す4種の運動を続けています。多少なりとも有効なんだろうと信心して続けてはいますが、どこかに名医がいないものでしょうか。

昨日は気温が19度まで上がりはしましたが、西風に変わって北風が強く、自転車もローにきり変えてやっと進むほどでした。近くのお寺の辛夷も昨日の風で吹き飛ばされたのではと通りかかると、未だ健在。あやかりたいものです。

戻る

inserted by FC2 system