「ガッテン」に「ガッカリ」
テレビは様々な健康番組を放送します。自分の健康状態に不安を感じる人が多いのか、間違いなく視聴率もそれ相応に確保できるのでしょう。いくつかある中で、特に視聴を欠かさなかったのはNHKの「ためしてガッテン」です。この番組が教えてくれた健康への対策で今も実践しているのは認知症、COPD、頻尿や便秘、血流、血圧などなど、極く簡単な体操やありふれた食材などの10余もあります。薬ではなく食材や体操で健康になるなら言うことはありません。多くの時間や体力、お金を費やすことなくできる、ごく手軽な対策ばかりです。

近頃、その番組で、担当のアナウンサーが冒頭に謝罪をするという場面がありました。表現が不適切だったというような意味だったと思います。そして、先頃「週刊現代」が「ガッテン」はデータのねつ造疑惑があると、ある医学部教授の指摘を元に報道したそうです。雑誌を買い求めようとしましたが、その時は既に売れ切れ。多くの関心を集めたのでしょう。この番組は体脂肪について取り上げだそうで、私は見ませんでした。

NETで批判と反論などを探してみました。体脂肪に対するある対策をすると、何かが増えて改善するとかで、4人が実験した結果を示したそうです。プラスは1人、3人がマイナスだったそうです。これでは有効とは言えないと指摘されると、NHKはマイナスの結果は誤差の範囲内で処理は適切だと反論して謝罪を求めたとか。誤差については統計的手法を用いるべきで、そうすると4人とも誤差の範囲になる、と言う意見がありました。難しいことは分かりませんが、常識的に考えれば、過半数を占める方が正しい結果と言えるのではないでしょうか。人間を対象とした実験では、それぞれの人の様々な条件が異なるので、被験者数がたった4人だけでは正確な結論は出ないのでしょうか。

つい先日、他局の番組でも「おや!」ということがありました。認知症予防に期待できる成分が多く含まれるのは、カマンベールチーズとブルーチーズのどちらかという問かけをしていました。そして、正答はカマンベールの方だそうですが、その裏付けとして、マウスによる比較実験を提示していました。普通の餌とカマンベールとの比較でした。普通の餌とはブルーチーズなんでしょうかねえ。

今回のためしてガッテン問題について、娯楽番組だから目くじら立てなくてもという意見もありました。なるほど娯楽番組なら、科学的な裏付けはなくてもいいのでしょう。たまたま取り上げた方法でよい結果を得られた人もいるし、期待外れの人もいるのは当たり前だというのです。なるほど、私が続けている幾つものガッテン流も、果たして有効に機能しているのか否かは自分自身でも見極めはできません。天下のNHKだものそう間違ったことは放送すまいと、体操も害にならなければ、暇に任せて「おまじない」と思って続けています。でも、ごまかしだけは勘弁してほしいものです。「ガッテン」には「ガッカリ」しましたが。

今ではテレビや新聞、NETなど様々なメディアの様々な情報に接することができます。それぞれの情報を鵜呑みにせず、自分で見極めることが大切なんでしょうね、メディアや学者などの権威にも惑わされないで。

窓から覗く桜並木の桜も、もう色も褪せて、散り始めました。この並木だけが今年の私のお花見です。

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