爺さんが転んだ
「達磨さんが転んだ」なら楽しいでしょうが、爺さんが転んでは悲劇です。先日、自転車で交差点にかかったところ、「信号が変わった」と急いで渡ろうとした折り、なんの弾みか転倒して膝頭をコンクリート製の柱にぶっつけて転倒、倒れた自転車はそのまま、暫く痛みに耐えかねて、起き上がれもせず、道路に伏せたまま呻いておりました。その間、実際は一分ほどだったのかも知れませんが、数分は呻いていた気がします。なぜぶつかったのか分かりません。多分、柱の近くを通り過ぎようとした時ふらついてのでしょう。

足をさすりながら立ち上がると、激痛はなくなっていましたので立ち上がり、自転車に乗って帰宅しました。激痛はなくなっていましたが、足を突くと痛みます。膝を見ても外傷は全くありません。とりあえず湿布でもしておけば翌日には治るだろうと安心していました。でも、その翌日になっても、状況は変わりません。祖母の使っていた杖を探し出し、痛む右足に力がかからぬように、そろりそろりと歩く始末。

単なる打撲ではなく骨折しているのではないかと思い、病院へ行くことにしました。数百メートル離れたところの病院へ行くにもとても歩けませし、自転車も駄目です。病院に行き帰りはタクシーを頼みました。待合室には三十数名の先客がいます。見回すと、年配者がほとんどのようです。私と同じように杖を突いている人も数人程見かけられます。待合室のテレビでは国会中継をやっていて、なんだかとぼけたような答弁などを見る気もしません。壁面の掲示物を見るやら、指の体操をするやら、あくびをかみ殺すやら、待つこと三時間あまり。

やっと診察、表面を観察、痛むところを確認、それではレントゲンを……。幸い骨には異常は無いとのこと、湿布薬を処方して貰い痛みの原因、傷病名を尋ねもせずご帰還。多分単なる打撲だろうと勝手に思い込んでいますが、痛みが消えるまで時間がかかるのが気にかかります。

実はこの何年の間に、自転車で転倒したのは、今回で三回目です。最初はコンビニに自転車を停めようとした折り、左側に降りるのに、自転車が右側に倒れ、それにんろかかる形で転倒しましました。店頭にいた何人かの人から『大丈夫ですか?』と駆け寄ってくれました。『大丈夫です、大丈夫です。』と、立ち上がりましたが、その恥ずかしいこと。この時はどこも痛みはありません。

二回目は、近くの家庭菜園の帰り、何でも無いところでバランスを崩して倒れました。この時は、なぜ倒れたのか全く分かりません。よそ見でもしていたのでしょうか。倒れはしましたが、なんだかふわーとした感じで倒れた気がします。この時も、どこも怪我はしませんでした。

高齢になると一般的に平衡感覚が鈍化するといわれます。こう指摘されるまでもなく、自分の平衡感覚が衰えてきていることは、よく承知しています。金澤だか、富山だかの大学で多くの高齢者対象に研究して成果を上げたという転倒防止のバランスボード。このボードを自作して、以来毎日三分の運動をしていますが、年々、その持続時間が短くなっていることを承知しております。

何年か前には、脚立から転倒、腰を強打して入院した前科もあります。それなのに、乗り慣れた自転車での安全について、普段全く気を配っていなかったことを、やっと気がついたようです。どなた様もたかが自転車などと思わずに、お気を付けられますよう。

今日で終わり十一月も、明日からは、なにかと気ぜわしい師走。寒さもいっそう厳しくなるのでしょう。どうぞ、ご自愛を。

庭先の木々も葉を落としてなんだか寒々としています。花開いた山茶花も散り始めて、厳寒の到来を告げているようです。

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