どうするふるさと納税?
《ふるさと納税》「実質2000円!まだ間に合います!!」「全員やらなきゃ損ですよ」 こんな言葉が踊る新聞のチラシをみて考え込んでしまいました。

普通、ふるさととは、生まれ土地か第二の故郷の現住地だと思うのですが、この制度の定義する「ふるさと」とは、生まれ故郷などの狭義ではなく、日本人なら日本全体が「ふるさと」を指すのでしょうね。だから、日本中どこの自治体でもふるさとであり、そこへ自発的に寄付をするとは、なんと素晴らしいことでしょう。その善意に答え、寄付額に応じて特産品などの様々な「お礼の品」が戴けるという訳です。ありがたいことではないでしょうか。

おまけに国や自治体も、身銭を切って寄付してくれるその気持ちに応えて、寄付額に応じて税金を減額してくれるとは、これまたなんと素晴らしいことでしょう。まさしく「全員やらなきゃ損ですよ」と言う通りです。

ところが、この制度の問題点が指摘されます。より多くの「納税」を獲得しようと、返礼品競争が激化していると言われます。その土地の特産品や製品などを返礼品にすれば、地域の産業振興に寄与するのでしょうが、人気の肉類を他の地域から求めて返礼品にするなどもあるそうです。中には中国から輸入した製品を返礼品にしていると聞いては、唖然とするばかりです。山陰のある都市では1000万円の寄付に対して750万円相当の200平方メートルの土地が返礼品と聞いては言う言葉がありません。いやいや、これは過疎地域への移住者を集める手立てかな? それにしても、寄付金が多すぎないかなあ。過熱する返礼品競争に、国もブレーキを掛けたと聞きますが、そのブレーキは効いているのかな?

この制度は金持ち優遇策だと評する見方があります。2000万円の収入がある人は家族構成によって違いがありますが、最高50万余の税の控除があるそうで、仮に収入の乏しい私が山陰の都市に1000万納税したとしても、税の控除額は2万円足らず。収入によって控除額に違いがあるのは、法の下の平等に反するのでは??。もう一つの問題点は、私の県ではふるさと納税で18市町村が赤字になり、県は差し引き赤字が5億2千万にも達したという記事がありました。九州では肉と焼酎で73億円も集めたところもあり、一方横浜の56億円の減収のように、都会の自治体の多くは巨額の赤字になっているとの報道もありました。その赤字解消に返礼品競争が更に激化? なかには所沢市のように返礼品を止めるという動きもありますが、どうなるのでしょうか。どうやらこの制度そのものの見直しが必要なんでしょう。

昨年は自分がほしい返礼品から納税先を選び出して、少しだけ納税をしました。今年は返礼品のための納税は逆さまなんだろうと思い、まだふるさと納税をしていません。確定申告の必要が無い期限は過ぎたけれど、救援団体への寄付金があり、確定申告はするので、もうちょっと考えてみようと思います。自分の生まれ育った文字通りの故郷、返礼品は無しですが今住んでいる第二のふるさと、旅で辿ったことのある震災の被害の大きかった三陸の地、ここも旅で泊まった豪雪の山村……、どこにしようかと未だに悩んでいます。結論が出なければ、今年は見送りかな?

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