菌床椎茸びっしり
昨年、初めて菌床椎茸に挑戦しました。これまで何回か椎茸栽培はしたことがありますが、それは、楢や櫟などの丸太に椎茸の菌を植え付ける原木栽培で、庭の隅などのあまり日光の当たらない処に置いて、時折水を掛けるだけ、実に手軽なものでした。菌床栽培は原木の代わりにおが屑にフスマや米ぬかなど混ぜて固めた物だそうですが、原木栽培と同じに気軽に思っていました。しかし、菌床は原木とは違って遙かに微妙な物であったようです。栽培の適温が10℃〜20℃だと説明があります。菌床を買った昨年の5月は真夏日が何日もあり、適温に大きく外れていました。原木栽培では気温など気にしたことは無く、菌床もそのつもりでいたことが大きな間違いだったのです。

それでも、厳しい環境のなかいくつかの椎茸が生長してきました。菌床を置いた場所は日光の当たらない家の北側。ブロックを並べその上に育苗箱を置き、更に菌床は植木鉢の受け皿に置いたのです。それなのに、どこでかぎつけたのかナメクジの襲来です。椎茸をかじるのです。地面から這い上がった痕跡もありません。昨年は椎茸よりナメクジの方をたくさん収穫しました、食卓に上がった椎茸はナメクジの食い残りの二分の一本だけでした。

こんな昨年の失敗談を知った子どもが、椎茸の菌床を買って届けてくれました。昨年とは別の会社のものです。この寒い時期に? と思ったら屋内で栽培するのだそうです。説明書は昨年より詳細に記されていました。肝心の温度については、お勧め栽培温度は朝から夕方(日中)は20〜23度、夕方から朝(夜間)18度以下だとあります。高温期にはクーラの効いた部屋に……とあります。それで、この時期、夜間は間違いなく18度以下になります。日中は暖房を動かして適温にと、朝夕置き場所を変えています。

菌床に水分を与えて栽培を初めて数日すると、小さな椎茸が、菌床の周りにびっしり出てきました。今度は成功間違いないと乾燥と温度管理に気を付けていると、10日目に大きなもの9つを初めての収穫。翌日には更に21個、14日目に12個を収穫しました。一度には食べ切れませんので、2回目の分は冷凍、3回目の分は乾燥しました。菌床にはまだまだ椎茸があります。30個か40個ぐらいありそうです。まだまだ楽しめます。収穫した椎茸を食べてみました。市販の椎茸のようには、うまみは感じません。生ですから歯ごたえも乾燥の椎茸のようにはありません。しかし、自家製椎茸というだけで、何か特別の味のようにも思えました。乾燥させると、うまみ成分が増えるそうで、干し椎茸の完成を待っています。

全部収穫が終わると、2〜3週間の休養期間を経て、二回目の栽培が楽しめるそうです。一つの菌床から収穫できる椎茸はどれだけになるのか見当も付きませんが、菌床の代金と、収穫した椎茸の代金とを比較したらどうなるでしょうか。育てる楽しみは代金には変えられませんので、比較する意味は無いのでしょう。この沼田の会社には、椎茸の他に、えりんぎ、なめこ、ひらたけ、えのきたけ、ぶなしめじ、きくらげの菌床栽培もあるそうで、椎茸以外の別の茸に挑戦したいと思っています。

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