葭焼きを見に行ったが
先日、近くの渡良瀬遊水池で、恒例の葭焼きが行われました。ここは群馬、栃木、茨城、埼玉の四県にまたがる33万平方キロのラムサール条約登録湿地。広大な湿地に自生する葭や種々の植物の芽吹く前のこの季節に葭焼きは行われます。刈り残した二メートル程の葭の群落の何カ所から一斉に火の手が上がります。虫害防除と湿地の樹木の生育を抑えるのが目的だそうです。野鳥をはじめとした種々の動物、ワタラセツリフネソウなどの植物の貴重な宝庫だと云われます。そこには、多数の運動場、二つのゴルフ場が設けられており、湿地面積も段々減少しているのではないかなあ。掘ったり埋めたり様々な工事が行われているようですが、条約登録湿地として本当に必要なのかどうかはわかりません。

近くですが十数年も見に行ったことがなかったのですが、ちょうど孫が遊びに来ていたので、子供の車で久し振りに見に出掛けました。広い遊水池の周囲のどこからも眺められますが、最も間近に見られる所を知っていたので、駐車場も五〇〇台もあるその場所へ行ったのです。一杯になるかと思った駐車場は、まだ四割程空いています。ここは堤防の真下から始まる葭焼きが見られたところですが、行ってみてガッカリ。真下はゴルフ場になっていたのです。ここでは、長い望遠レンズのカメラでないと、写真にはなりません。

ここは諦めて、次の候補地へ遊水池を大きく迂回して行きました。この場所も堤防の真下から葭焼きがされるところだったのです。行ってみると、真下には、ここも運動場らしい空き地が広がっていました。既に葭焼きは始まっていて、煙が立ちこめています。遠くの方でも何カ所も煙が上がっています。堤防の上では、大きなカメラを三脚に据え付たカメラマンが放列をなしています。コンパクトカメラを出すのが気恥ずかしい感じです。どうやら葭焼きらしい風景を撮ってみましたが、葭焼きの恐ろしい程の迫力は見られませんでした。


前日の雨で葭が湿っているからと、葭焼きの開始時刻を一時間遅らせたのですが、まだ乾かないのでしょうか、燃えさかる炎は見当たりません。どうやら葭焼きらしい風景を撮ってみましたが、葭焼きの恐ろしい程の迫力は見られませんでした。まだ粘っている大勢のカメラマンを残して早々に退却しました。堤防の直ぐ近くには「とちぎのふるさと田園風景百選」指定の旧河川があり、淀んだ堀の傍らに、ちょうど満開の梅が枝を伸ばしていました。正しく、春の田舎の田園風景そのもののように感じました。

これでは葭焼きの迫力は分からないので、古い写真をやっと引っ張り出してみました。
例年、激しく燃えさかる葭が音を立てて広がっていきます。葭の真っ黒な炭は上昇気流に乗って何キロも先まで飛んで行くので、この日は洗濯物は戸外には出せません。今年はどうでしょうか。

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