つるありとつるなし
植物にはつるで何かに巻きついて、茎を支えているつる性植物があります。つたかずらの仲間はその典型なんでしょう。野菜の仲間にもつるを伸ばすものがいくつかあります。胡瓜や南瓜などのウリ科の仲間のほか、エンドウやインゲンもつるを伸ばします。このインゲンには、進化したのか退化したのか分かりませんが、つるなしもあります。疑問に思って事典を開くと、1000種以上もあり、日本でも200種ほどもあるとありました。その品種がどうして生まれたかは触れていません。ついでに、インゲンマメは、江戸時代に来日した黄檗宗の開祖隠元が伝えたのが名前の由来だと私も聞いていましたが、実は隠元が伝えたのはフジマメだったとありました。

さて、自分で栽培する際にはたくさんある種の中から選ばなければなりません。インゲンはつるありかつるなしかを決めなければなりませんが、インゲンなどは支柱を立ててつるを絡ませるものだという思い込みがあって、これまでつるありばかり栽培してきました。今年種を買う段に、つるなしなら支柱を立てなくてもいいのなら一手間省けると、早速つるなしインゲンを買い求めました。

先日種を蒔こうと種の袋の説明を見ると、播種の適期や播種の仕方などが書かれています。そしてその中には種の有効期限も記されているのですが、今回買ったつるなしインゲンの期限は、なんと2013年10月末日とありました。生鮮食品の買い物では、必ず原材料の生産地と共に賞味期限を忘れずに確認するのですが、種の有効期限までは確認したことはありません。期限切れの商品まで売っているとは考えもしなかったのです。発売は大手の著名な種苗会社で、販売していたのは大手のホームセンターですが、そんな物が堂々と売られていたとは驚きです。そして、世の中にはそんな物を買ってくるうっかり者もいるわけです。

縦の保管状況によっては、有効期限が過ぎても3年程だったら大体は発芽するものですが、さあて5年も過ぎたのでは望みはなさそうです。改めて今度は有効期限内のつるありインゲンの種を買ってきました。ポットに播いて育苗します。つるなしも試しにポットに播いてみました。もし発芽したらつるなしですから支柱なしでも自立してポットでも栽培できそうです。果たしてそんな奇跡が起こるでしょうか。

例年、小玉南瓜を作ってきましたが、今年は取りやめます。南瓜もつる性植物ですが、地面に這わせるので僅かばかりの畑の広い面積を南瓜に占領されます。それで今年はやめました。今は知りませんが、郷里では地這えではなく、高い支柱を立てて栽培していました。支柱と云っても、長さが数メートルの直径が20〜30センチもある丸太を立てて、横に何段かの竹の棒が結んであったと思います。作っていた南瓜はなんという種類か知りませんが、小玉西瓜の2〜3倍もあったでしょう。わが菜園ではこれは出来ないので断念するしかありません。
今畑にあるのはラッキョウ、絹さや、玉葱、それに馬鈴薯だけです。その馬鈴薯は3月23日に植え付けたのですが、今はやっと数センチ程です。植え付けてから昨日まで雨が降らないので、やむなく2回潅水をして、やっと芽が出たのです。昨日から今日に掛けて雨が降るとの予報にほっとしていましたが、地面がぬれる程度。もっと降らして下さい。

深山苧環が咲き出しました。深いその色合いが好きです。知人からもらい受けた一鉢の苧環も、今は10株程。ささやかな庭を彩ってくれます。

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