旅と植木の水やりと
今から十年前頃、たまたま訪ねた栃木県の室の八島で、芭蕉が奥の細道の途上にここを訪ねたと知りました。そんなことがきっかけで、芭蕉の奥の細道を尋ねようと思い立ち、それから四年掛けて、芭蕉のように健脚ではないので、交通機関の力を借り、江戸から大垣まで辿り、生地の伊賀、墓の大津までを尋ね歩いたことがあります。2014年に文化庁が奥のほそ道ゆかりの地を13ヶ所選び「おくのほそ道の風景地」と名付け名勝地として指定しました。実際尋ね歩いた者としてはいささか異論もありますが、その中に、一ヶ所だけ足を運ばなかった「高岡有磯海(女岩)」というところが入っていました。ここは芭蕉は一句だけ残しましたが、奥のほそ道には何も記述がありません。それで、私は足を運ばなかったのです。文化庁が名勝というのでは訪ねなければなりません。

随分長い前段になりましたが、計画を立て始めると、高岡は前田氏の城下町、家持、義経ゆかりの地、また宗良親王ゆかりの地だそうで、それらの地を尋ねると、どうしても四日はかかり、押し縮めても三日。今週出掛けるつもりでしたが、三日家を空けるとなると、困ったことが起こります。それは、たくさんの植木の水やりです。真夏のような猛暑の中では枯れてしまいそうです。プランター25と鉢30の水やりが解決しないと出掛けられません。

例年、プランターの野菜については、自動潅水器の力を借りていました。朝夕二回の定時に指定時間だけ細い管を通して、プランター毎に調節した量の撒水してくれます。管を分岐して幾つでも撒水ヶ所を増やすことは出来ますが、その分水量は少なくなるので、大元とプランター毎の調整も必要になります。何日か調整をしてきましたが、なかなかこれで良しとなりません。植木鉢の分となるととても分岐では追いつけないので、潅水器をもう一台買い求めて植木鉢全部に調整しようとしましたが、数が多すぎてお手上げ。この暑い時期の二泊三日の旅は断念しました。

連日、家の中で過ごすことが多いので、気分転換にちょっとでも旅に出たいと思っていたのです。旅先であちこちと回るのも免許返上ではレンターも使えず、タクシーとレンタサイクルが頼りですが、街中をあちこち停まりながらでは、タクシーは無理です。でも、この暑さの中でのサイクリングは願い下げ。高岡は気候の様子を見て改めて出掛けたいと思います。今年中にはなんとしても行きたいものです。            
一泊ならこの時期でも出掛けても気がかりは無いだろうと思い、近いところをあれこれと探しています。温泉地へ行ってのんびりとするのもいいのですが、私の足の霜焼けは、折角温泉へ行っても四一度以上の湯温では入れません。部屋付きの温泉か貸し切り風呂でもあるところはないかなあ。さてどこへ行くか、果たして行けるでしょうか?

間もなく迎える梅雨時を知ってか、紫陽花が咲き出しました。信州特産のベニアジサイというのだそうで、まだ紅はさしていませんが、やがて美しい紅色に染まるのでしょう。

戻る

inserted by FC2 system