平林寺から井の頭へ 平林寺1 

新座駅から2km程に位置する臨済宗妙心寺派金鳳山平林寺は、南北朝時代、浦和市岩槻区に、大田備中守の帰依によって建立。幾多の推移ののち、川越藩主松平信綱の意により、その子輝綱は岩槻平林寺の伽藍及び墓石までをここ野火止に移した。大河内松平家の祖廟となる。
 
総門を表と裏から。茅葺きの切妻造。京都詩仙堂の石川丈山筆の「金鳳山」の山号額を掲げる。
  小兵衛と内山が、藁ぶき屋根の平林寺・山門の前へ立ったとき、あたりは、いよいよ明るみをたたえてきて、鬱蒼とした樹林に小鳥が囀りはじめた。
 早くも山門から、十人ほどの托鉢僧があらわれ、整然と川越街道の方へ去って行く。
 山門は棟門で、正面の木額〔金鳳山〕の三文字は、かの石川丈山の筆だ。… 池波正太郎 「剣客商売 黒白〕
 
 山門へ向かう。山門は茅葺きの重層入母屋造。丈山筆の扁額「凌霄閣」を掲げる。 
 
山門の先には仏殿。唐様の建物で、茅葺きの単層入母屋造。  
 
さざれ石。 島根県出雲仏教山産出。    紅葉に彩られる仏殿。
 
載渓堂。明国の僧「独立性易」の坐像と師の念時仏であった観音像とを安置。   本堂。「平林禅寺」の額を掲げる。信輝寄進の釈迦如来坐像、達磨大師坐像などを祀る由。 
 
 
約56万m2の広大な境内林すべてが、国指定の天然記念物。本堂の周囲はスギ・ヒノキなどの針葉樹林、その外側を、武蔵野を代表するコナラ・クヌギ・カエデなどの落葉広葉樹林がとりまく。  
 
 
林間には踏み入れられないが、雑木林の中に落ち葉を踏みながら彷徨うのも乙なものかな。  
 
ここは屈指の鳥類生息地。カケス・アカハラなど約60種類が、繁殖、中継・越冬の地として利用。  
 
ここに着いたのは割合早かったので、それほどの拝観者ではなかったが、退去する頃には、多くの拝観者が押し寄せて門前に行列ができていた。上天気の日曜日、そして紅葉の最盛期だもの。 

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