ちょっと井月を尋ねて
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明治20年、俳友塩原梅関方で往生を遂げる。田の中、塩原家の墓地の杉の元に眠る。 | 井月墓地。文字は摩耗して読めない。 「降るとまで人には見せて花曇り」の句を刻む由 |
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ここの名物料理はローメンとソースカツ丼。ホテルで聞き、近くの創業60年の「門・やません」へ | ミニカツ丼。1000円。分厚い濃厚な味のカツ。美味でも半分しか食べられぬ。秘伝の味だとか。 | ||
早朝の天竜川を渡って、句碑が多く建つという三峰川(みぶがわ)の堤防のサイクリングロードへ自転車を走らせる。風もなく、特別寒くはなかったが、とにかく早く明るくなってくれ。 | |||
除け合うて二人ぬれけり露の道 井月 | 楽しみは浅瀬に深し蜆とり 井月 | ||
三峰川の先は中央アルプス。頂に雪は? | 菜の花に遠く見ゆるや山の雪 井月 | ||
明安き夜を日に継や水車 井月 | 稲妻や藻の下闇に魚の影 井月 | ||
子供にはまたげぬ川や飛蛍 井月 | 手元から日の暮れ行くや凧 井月 | ||
若鮎の瀬に尻まくる子供かな 井月 | 小流に上る魚あり稲の花 井月 | ||
稲妻のひかりうち込む夜網かな 井月 | 三峰川源流は南ア塩見岳、60kmを流れ下る。 | ||
それはこの宿の本陣に当る、中村と云ふ旧家の庭だつた。 ……その頃この宿にゐた、乞食宗匠の井月ばかりは、度々彼の所へ遊びに来た。長男も不思議に井月にだけは、酒を飲ませたり字を書かせたり、機嫌の好い顔を見せてゐた。「山はまだ花の香もあり時鳥、井月。ところどころに滝のほのめく、文室」――そんな附合ひも残つてゐる。…… 当主はそれから一年余り後、夜伽の妻に守られながら、蚊帳の中に息をひきとつた。「蛙が啼いてゐるな。井月はどうしつら?」――これが最期の言葉だつた。が、もう井月はとうの昔、この辺の風景にも飽きたのか、さつぱり乞食にも来なくなつてゐた。…… (芥川龍之介「庭」) |
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高校生の時、人生一度だけの登山は中アの主峰駒ヶ岳2,956m。バスもケーブルもない頃、ひたすら歩いて山を越えて木曽へ降りた。 山頂はまだ雲の中。次第に雲が切れて明るくなることだろう。 |
バスターミナルの土産物コーナー。珍品ぞろり。 ざざむし、蜂の子、いなご、さなぎ、鯉の甘煮、馬節、ウー油、玉葱の皮、ソースローメン……。 勿論、蕎麦、寒天製品、米、リンゴ製品なども。 小瓶入りのざざむし1450円、蜂の子1380円!! |
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井月の句碑は、伊那市周辺で60基ほどもあるそうで、伊那谷の人の井月に寄せる思いの程が知れよう。西行法師、松尾芭蕉、小林一茶、そして井上井月、種田山頭火、尾崎放哉、それぞれに一脈通じるものがあるのだろう。 折があったら、また句碑を尋ね歩きたいものだ。 |