筑波山麓を東から南へ その1 小野小町と北向観音

予てから、茨城県にも小野小町伝説の地があるということが気になっていたので、五月晴れの先日、その伝説の地などを巡ってみた。
小野小町の伝説は日本各地にあり、その真偽を問いただすのは愚の骨頂というもの。その土地の人が、この遙か昔の才媛を敬慕することと、あわせて観光資源として利用することは、素晴らしいことだ。

  平沢官衙遺跡
筑波山南麓にあり奈良平安時代の筑波郡の役所跡。50ほどの役所跡が確認され、その内の三棟の校倉造り倉庫が復元されている。

  不動峠
平沢官衙遺跡の脇を曲がりくねった、しかも車がすれ違うのもやっとの山道を登っていくと、頭上に筑波スカイラインの通る峠に着く。

  不動峠からの展望
遙か彼方に見えるのは、多分筑波学園都市だろう。天気がよければもっと遠くまで見えそうだ。
ここまで、すれ違ったのは車と自転車各1台。

  小野越の里
峠を越えて杉林の中の急な山道を折りって来ると、ここは石岡市小野越。元八郷町。路傍に田の畦道に向けて「北向観音堂」の道しるべ。

  北向観音堂
畦道を通り、小川に架かった橋の先には、山の斜面の上の方に小さなお堂が見えた。背後の山は北向山。山の名か観音堂の名かどっちが先?。

  北向観音堂
急な石段を登ると堂の前に。本尊は十一面観世音菩薩、堂内を覗くと、二尺ほどの観音様がおいでになった。

  うれしい説明板
地元の村人が、小野小町の伝説を大切に守り伝えている様子がわかるような手作りの案内板。
何となく嬉しくなってしまった。

  小町かんざしの木
小野小町が北向観音堂にお参りをして病気が治ったお礼に埋めた簪から大樹となり、簪に似た実がなる。本名は「菩提樹」 と左の説明板にある。

  小町姿見の池
絶世の美女小野小町。自分の姿には人一倍気を遣ったであろう。水鏡も当然だった。そして、お化粧をなおすには→

  小町化粧清水
観音堂への階段の脇に清水がわき出している。そうなれは当然、小町にお化粧で使って貰いたくなるのは人情というもの。

  小町硯石
観音堂の脇の方に長さ一間、高さ三尺ぐらいの大きな石。上面には確かにくぼみがあるが、硯に見立てるのはちょっと無理。でも愛嬌というもの。

  小町足洗川
観音堂の手前に流れる小川。小町が峠を越えてここに辿り着いたら、きっと足を洗ったと、村人が考えたのは納得。私も賛成だ。

  小町腰掛石
観音堂から急な山道を五分ほど登ると、木立の中に大きな石が一つだけあった。山道をかき分けてここまで来たら、誰でも腰掛けて休むだろうな。

  小町いぼ神様
小町といぼ神様とどんなつながりがあるか、そんなことはどうでもいい。とにかく、何でも小町と結び付
ける。いいではないか。

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