おくのほそ道を辿る 金沢から大聖寺へ

 芭蕉のおくのほそ道の足跡に従い、やっと黒部川まで辿ってきた。世間には健脚の人もいて、芭蕉と同じに歩いて辿っている人もいるようだが、私は乗り物を使ってのとびとびの旅。
 芭蕉はここから高岡の那古の浦から富山、小矢部、倶利伽羅峠を越えて金沢へと一日で行ったが、私はこの間を省いて、金沢から辿り始める。芭蕉が金沢に着いたのは、7月15日(陽暦8月29日)。

  卯の花山。くりからが谷をこえて、金沢は七月中の五日也。(こゝ)に大坂よりかよふ商人何処と云者有。それが旅宿をともにす。一笑と云ふものは、此道にすける名のほの/”\聞えて、世に知人も侍しに、去年の冬、早世したりとて、其兄追善を催すに
  塚も動け我
(なく)声は秋の風
     ある草庵にいざなはれて
  秋涼し手毎にむけや
瓜茄子(うりなすび)
     途中吟
  あか/\と日は
難面(つれなく)もあきの風                     (おくのほそ道)

芭蕉は金沢に9日間もいて、その間句会や遊覧に時を過ごしたが、こちとらは一泊だけ。翌日は小松を廻って山中温泉へ泊まり、三日目は大聖寺までという、いつもの通りの駆け足旅行。足を運ぶべきところを幾つも断念したが、わたしの旅はまあこんなところかなあ。

金沢・寺町界隈  金沢城  兼六園  長町武家屋敷跡  小松   那谷寺   山中温泉   大聖寺   INDEX

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