葛飾柴又から矢切、そして堀切へ
東京葛飾の菖蒲園が花盛りとのTVを見て思い立ち、堀切菖蒲園とその近くの柴又帝釈天、そこから「野菊の墓」の舞台(?)の矢切へと廻ってきた。堀切や柴又のある葛飾区は、江戸川、荒川、中川などの河川が貫流する標高2mほどの低地で、たびたび水害に悩まされてきたところだそうだ。 云うまでもなく柴又は映画「男はつらいよ」シリーズで寅さんの故郷と設定されたところだ。「男はつらいよ」は昭和44年から平成7年までに全48作が、平成9年に特別編1本が製作されたそうだが、私は何本見ただろうか、多分2,3本だろう。映画を見る心のゆとりもなかったのかもしれない。 |
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京成上野駅から京成本線に乗り京成高砂で乗り換えて柴又まで27分。駅に降り立つと等身大の「とらさん」が旅姿で出迎えてくれた。それとも、これからお出かけですか? |
駅から150m程で参道の入口にたどり着く。ご年配の方が手押し車を押したり……。観光ではなく信心からおいでになったのでしょう。 |
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参道の入口には、渥美清さんの寄進した常夜灯が待ち受けている。 |
常夜灯の脇には、山田洋次監督の手で例の寅さんの名台詞が |
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参道には、草だんご、せいべい 神仏具、お土産などの店が30軒ほど軒を並べている。庚申まいりの日になったらさぞかし賑やかなことだろう。 |
草だんご・お食事処の「とらや」は、寅さんシリーズの第1作から4作までのロケ地。「とらや」としてそのまま登場していた。 |
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「とらや」の店内にはズラリ寅さんシリーズのポスター第1作から並んでいた。 |
とらやは後に改修したが、当時の階段だけがそのまま残されていた。あの階段から「イヨッ」と降りてきたのかな? |
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折角なので、一皿300円の草だんごを賞味する。 |
参道を更に進んでいくと、その正面には |
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19世紀末に建てられた総欅造りの豪壮な二天門。日光東照宮の陽明門を模したともいわれるとか。増長天と広目天を安置。 |
日蓮宗の経栄山題経寺帝釈堂。通称柴又帝釈天。堂の内外には、数多くの木彫がほどこされている由。厄除け、延寿、商売繁盛などに霊験あらたかだって。 |
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左は帝釈堂。右脇に並んでいるのが題経寺本堂。この寺は寛永年間(1629)に開基したそうだ。 |
水原秋桜子句碑 帝釈天境内 木々ぬらし石う可ちつひに春の海 秋桜子 |
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人生劇場 青春立志の碑 帝釈天境内 人生劇場 青春立志の碑 遺す言葉 死正、命ありだ。くよくよすることは一つもない。お前も父の血をうけついでいるのだから、心は弱く、涙もろいかもしれれぬが、人生に対する抵抗力だけは持っているだろう。あとは千変万化だ。運命の神様は、ときどき妙ないたずらをする。しかし、そこでくじけるな。くじけたら最後だ。堂々といけ、よしんば、中道にして倒れたところで、いいではないか。見ろよ、高い山から谷底みれば瓜やなすびの花ざかりだ。父は爛々たる眼を輝かして、大地の底からお前の前途を見まもっていてやるぞ。 尾崎士郎 |
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葛飾柴又寅さん記念館 帝釈天から400mほどの江戸川堤防の下に位置する葛飾観光文化センターの施設。 |
「いらっしゃーい!」 ずいぶん体格のいい寅さんが歓迎してくれる。65歳以上のシルバーは100円安い400円で入館できた。 |
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帝釈天参道のミニチュアセット。可愛らしい人物も配置されて、中から声がかかりそう。 |
二天門のミニチュアセット。貼り付けられた千社札も再現されている。この貴重な技術! |
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ミニチュアのほか、原寸大セットでくるまやの撮影風景を再現したところ、寅さん名場面集や寅さんのマドンナたち、撮影スタッフの紹介……、映像を用いて様々な形で「男はつらいよ」裏と表を紹介していた。また、全国のロケ地マップのタイル地図化された庭もあった。 | |||