衆議院憲政記念館

         女性参政60年特別展

    予定もしていなかったのに、この特別展を見る機会に恵まれた、というべきなんでしょうね。
 

半年ぶりに、やっと思い立って国会図書館に行った。
いつもは部屋に貼ってある休館日の一覧を確かめるのだが、天気の良さにその確かめも忘れて出かけたら、ご覧の通りの休館日。この迂闊さに自分で自分に呆れてしまった。 

毎月第3水曜日が休館日になったと、帰宅してから分った。このへんがトシの影響なんだろうか。

折角、そこ迄行ったのだから、予て気にしていた近くの所まで、足を伸ばしてみた。
   

そこは「千代田区永田町1丁目1番地の1」

図書館の前を200mほど行くと、左は桜田壕へ下る道、右は国会正門前に行く道にでる。

その交差点の真っ正面が千代田区永田町1丁目1番地の1。国会ではないんですね。

そこには、
   

木立に包まれた憲政記念館がある。記念館を含めたこの一画は「国会前庭」で、約5万uもあるそだ。
資料を見ると、「この地は太田道灌が『わか庵は松原つづき海ちかくふじの高根を軒端にぞ見る』と詠んだ松原の一角の景勝の地だったと。

江戸時代には加藤清正が屋敷を建て、後に彦根藩の上屋敷となり、幕末には大老井伊直弼が住んでいた。明治からは参謀本部・陸軍省が置かれた」というようなことが書かれていた。
    

建物にはいると正面で帽子を振ってお出迎えをしてくれるのは、憲政の神様といわれた尾崎行雄

衆議院当選25回、60年7月もの長い議員生活をおくり、衆議院から憲政功労者として、昭和27年に尾崎記念館館が建てられたが、それを吸収して今は、衆議院憲政記念館となった そうだ。


そこでは、10月26日〜11月17日の期間、限定で
   

女性参政60年特別展が開かれていた。明治初年から、現在に至るまで、女性の政治への参加についての多くの資料が展示されているが、勿論撮影禁止。この写真は図録の複写。

明治9年、浜松では16歳以上の男女の戸主に選挙権があったという資料に始まり、婦選運動関係
、「時代を拓いた女性」ということで、上村松園、市川房枝、美空ひばりなどの資料も展示されていた。結構入館者もあり、賑やかな小学生の団体、多分韓国の小集団もいたが、女性の姿は少なかったのは??
   

展示資料の他に、映像資料などもあり、また、議場体験コーナーといって、議場の部分模型もあった。

議員席に座ったり演壇に立って記念撮影が出来るので、入れ替わり立ち替わり、議員になったような顔をしながら写真に納まっていた。

演壇の人物は阿部首相が施政方針演説をしているが、これはビデオ。ボタンを押すと登場する仕掛け。
   

 展示資料を見ていると、あちこちに、衛視がいて、移動していくと跡を付けられているようで、じっくりと見る気にはならなかった。

よほど、私の人相が怪しいと睨まれたのかもしてない。

資料もいいが、澄み渡った青空に浮かぶ白い雲が、窓越しに見えた。この方向に皇居がある。
 
   

資料館の脇に噴水の池となにやら、随分高い細長い建築物があった。
上の方に時計が付いているようだが、国会の方から見るようになっているのかなあ。

下から見上げても、老眼には何時か分からない。議員のお年寄りには更に遠くからだから見えるはずはないが、尾崎咢堂は「議事堂は名ばかりで、実は表決堂である。既定の表決を粉飾する虚偽の道具たるに過ぎない。政党が金力権力を乱用したのが原因だ。」と看破したが、今も変わらぬと睨んでいるのではないだろうか。
   

よく見るとそれは時計塔。この時計塔は、尾崎記念会館建設時にその施設の一環として塔前面の噴水池とともに昭和35年に完成。
三面塔星型は.立法・行政・司法の三権分立を象徴したもので、塔の高さは「百尺竿頭一歩を進む」ということわざの努力の上にさらに努力して向上するの意味から、百尺より高くした315m。

 時計は、時間を厳守した尾崎行雄を称えてスイスから贈られたものであったが、現在は国産。
 チャイムは10時13時・17時・22時の4回鳴動。
これは、衆議院、参議院の会議開会と退庁、就寝時刻を標準にしたもので、静寂時には周囲5qに響き渡る。
   

この前庭の木立の影に、この石造りの小さな建物を見つけた。傍に説明板があった。

日本水準原点は、全国の土地の標高をきめる基となるもので、明治24年5月国がここに設けたものです。
水準原点の位置は、この建物の中にある台座に取り付けた水晶板の目盛りの零線の中心で、その標高は24.4140メートルと定められいます。この価は明治6年から長期にわたる東京湾の潮位観測による平均海面から求められたものです。建設省国土地理院」

どこかにあるとは思っていたが、ここだとは!
   

逆光の国会議事堂。国民に背を向けた国会のように見える。

この日は教育基本法改正案が、野党欠席のまま衆議院の特別委員会で強行採決。
相次ぐ小中学生のいじめによる自殺、教基法についてのタウンミーティングのやらせ発言、多数の高校の必修単位未習得、差し迫った困難な問題があるというのに……。

尾崎幸雄は、この国会をどう見ているんだろう。

午前中で地下鉄に乗り帰途に就いた。

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