小石川界隈ちょっと散歩 その1
小石川後楽園 

特別史跡、特別名勝の後楽園は、「江戸時代初期、寛永6年(1629)に水戸家の祖である頼房が、その中屋敷(のちに上屋敷)として造ったもので、二代藩主光圀の代の完成した庭園。庭園の様式は池を中心にした築山泉水庭。光圀は造成に当たり明の朱舜水の意見も用い、中国の風物を取り入れ、園名も舜水が命名。
後楽園の名は中国の岳陽楼記の『天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみは後れて楽しむ』から名付けた」(園のパンフ)
面積7万平方メートル、樹木数4千余。季節季節にそれぞれの花が彩るそうで、梅、桜、藤、ツツジ、カキツバタ、花菖蒲、睡蓮……、それに紅葉が楽しめるそうだ。
訪れたときは、各所に彼岸花が咲いていて、何人もカメラを向けていた
 
飯田橋駅から200mだそうだが、二回も道を尋ねてやっとたどり着いた。一般300円、65歳以上150円。面パスはだめ。証明書を出すのを待っていた。    水戸光圀像。造園にかかわった水戸藩初代藩主徳川頼房、朱舜水の肖像が水戸家の系図などとともに出迎えてくれる。
テレビの黄門様より恰幅がいいかな?
 
枯山水。「後楽ノ園其ノ門ヲ得テ左ニ入ル一邱ヲ見ルイズミアリ…。」私は逆回り。    木立越しにビルが見えなければ大都会の真ん中とはとても思えない。
 
大泉水。大きな鯉が悠然と泳ぐ。    西行堂跡。西行の木像を安置していた。 
 
道のべにしみづながるる柳かげ
  しばしとてこそ立ちどまりつれ 西行
  駐歩泉碑。 西行の歌にちなみ、九代斉昭が流れに命名して自ら筆を執る。
 
紅葉林。もう少し経つと、さぞかし見事に紅葉するのだろう。     大泉水の向こうに蓬莱島を望む。どの角度から見ても絶景。
 
蓬莱島は亀の形で、先端の石は造園した庭師にちなみ「徳大寺石」と命名。     木曽山。古木が空を覆い昼も暗く、流れに沿った様子が木曽路のようだとして。
 
寝覚ノ床。 内庭の水が滝となり木曽川に落ちるので、木曽路の名勝にちなむ。   内庭。水戸藩書院のあったところ。背後には後楽園のドームが背を見せる。.
 
静寂な内庭。このあたりは人影もない。    富士見堂。昔は富士山も見えただろう。
 
 大泉水を「鳴門」から見る。 内庭の流れが大泉水に流れ込む。鳴門とは?    八九屋。酒を飲むに昼九分、夜は八分にすべし。江戸時代の酒亭を表す。復元
 
稲田。光圀が綱条の夫人に農民の苦労を自ら体験させるため造った水田。そういえば西山荘の前にも水田があった。    不老水。どんな干魃でも枯れず、どんな洪水でも溢れることもなかったそうだ。のぞき込んだが、水面は見えなかった。
 
神田上水。 井之頭池を水源とする神田上水は後楽園から流れ出て、武家屋敷や町人町へと給水されていた。   藤田東湖護母致命の処碑。徳川斉昭の腹心の東湖は安静大地震の際、母を助けるため、梁を肩で受け止めて圧死。
 
梅林。光圀は「梅里」と号し梅を好む。斉昭は水戸の偕楽園や弘道館に備荒を兼ねて広い梅林を造ったが、ここにも広い梅林が造られている。   小町塚。塚石が常陸の小町の産だから、光圀が戯れて命名。石の産地茨城県石岡市小町には、小野小町の墓などがある。 
 
八卦堂跡。光圀は家光から「文昌星」像をもらう。のち八卦堂を建てその像を安置した。関東大震災で焼失。    円月橋。朱舜水の設計指導で、橋が水面に映る形が満月になることから命名。吉宗が江戸城に造ろうとしたができず。
 
白糸の滝。六代治保の時造られる。滝が千條の白糸を垂らすに似ることで命名。    丸屋(まろや) 昔の田舎の茶屋を表す。戦災で焼失したが復元。
 
得仁堂。光圀が深く感銘を受けた伯夷叔斉の像を祀る。    通天橋。京都東福寺の通天橋にならい大堰川の渓流に朱塗りに虹橋を架ける。 
 
屏風岩。家光が屡々訪れたとき、松に手拭いを掛け、石に腰を落としたんだって。    西湖の堤。中国の名勝西湖を模して造られた。 
 
大堰(おおい)川。京都嵐山の大堰川にちなむ。蛇篭を伏せ、神田上水を引き込む     渡月橋。大堰川に掛かる低い土橋は、京都嵐山の渡月橋の名を取る。
 
「小廬山」中国の名勝「廬山」にちなむ。頼房の求めに林羅山が命名したそうだ。    園の しおりの「大江戸・東京に残る深山幽谷」の言葉もほぼ頷ける。
 
 築地塀。後楽園の周囲1230m余、ぐるりと取り巻く。   塀の一部に江戸城外堀跡出土の石を積む。工事をした大名の刻印がわかる。
面積7万平方メートル、樹木数4千余。季節季節にそれぞれの花が彩るそうで、梅、桜、藤、ツツジ、カキツバタ、花菖蒲、睡蓮……、それに紅葉が楽しめるそうだ。
訪れた時は、各所に彼岸花が咲いていて、何人もカメラを向けていた。内庭には睡蓮がまだ咲いていた。もう少し遅ければ、きっと見事な紅葉が楽しめそうだ。「草木や花、自然をとともに安らぎを感じる都会のオアシス」だそうだがその言葉にうそはない。  

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