雪景色を見に八幡平の秘湯へ

今年は暖冬だそうで、一度も雪を見ることなく、春を迎えてしまった。北信濃や北海道の知人からは、美しい雪景色の写真が送られてくる。そんな雪景色をこの眼で見ようと、八幡平山麓の秘湯へ出かけた。盛岡から2時間ほど登った谷あいにある松川温泉。すっかり雪に埋もれた秘湯の味わいは格別だった。
晴の予報を信じて宿の予約をしたが、たいては曇り空で、ときおり雪が舞ったり晴れ間が見えたり。
盛岡市内の啄木や賢治ゆかりの地も訪ねたいと思ったが、地理がわからずに時間を浪費してほんの少しだけ訪ねてきた。
山頂に雪を頂いた蔵王連峰? 快晴で出発したのに白石あたりから風花が舞う。  仙台の広瀬川。仙台は薄日が差しながら風花が舞う。街の人々は誰も傘はささない。
岩手県にはいるころから一面の雪景色になった。雪が舞ったりやんだり。 盛岡駅前の啄木の歌碑 「ふるさとの山にむかひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」 
盛岡から日に数本のバスで八幡平へ登っていく。牧場、別荘をみながら、途中でチェンの車に乗り換えて。 約2時間かかり、曲がりくねった坂道を辿ってやっと雪が舞う宿の入り口でバスを降りる。
松川温泉 松楓荘。木造2階建て。開業263年目。全館地熱暖房。「熱かったら窓を開けてください」 松川河畔の宿。吊り橋の向こうに岩風呂があるが、雪崩の危険があるからと使用禁止。 
素敵な露天風呂からの雪景色。湯加減はいいが、湯から立ち上がると雪が舞ってて冷たい。 大きな岩で男女の湯を分ける内湯。源泉67℃、加水で調温。掛け流しの単純硫黄泉。
夕食の膳。山の幸がほとんど。岩手牛のすき焼きは格別の味だった。 玄関の脇に、湯気が立つところがあった。よく見たら、籠に入った卵が湯を浴びていた。
翌朝は青空が見えた。宿の主人が公道までの坂道やその先の公道を早朝から除雪をしていた。    宿の長靴を履いていたが道路に出るまで、2回足を滑らして転んでしまった。
道を登っていくと、地熱発電所があった。地熱発電は全国に7カ所。ここは昭和41年にできた。 写真中央の塔から蒸気が上がっていた。ここでは23500kwの発電をしていると説明してくれた。
あたりはミズナラ、ダケカンバ、ブナなどの混合林。秋には紅葉が見事だそうだ。 宿の窓のつらら。一番長いのは140cmほど。一日に40cmも伸びた。多分見るのは50年ぶりか。
盛岡に向かうバスから岩手山を見る。曇ったり晴れ間が出たり、天気が定まらない。 盛岡市内を流れる北上川。「やわらかに柳青める…」と啄木が詠んだのはずっと上流。
下の橋中前の啄木と牧水の友情の歌碑。「教室の窓より…」牧水「城跡の…」。ここは啄木、京助の母校。 正門を入ると啄木の「その昔小学校の征屋根に我が投げし鞠いかにかなりけむ」の歌碑があった。
盛岡城址の宮沢賢治の詩碑 「かなた」と老いしタピングは 杖をはるかにゆびさせど …… 南部氏の盛岡城。不来方城。中津川沿いに聳えている。今は岩手公園。            
盛岡市内には、啄木の歌碑が17、少年啄木像、新婚の家、啄木望郷の像など、宮沢賢治の詩碑が7つ。土井晩翠、新渡戸稲造などなど、訪ねてみたいと思ったところは沢山あった。街なかというので、自転車を借りて廻ったが、案内図が不正確で、時間ばかり浪費してしまった。
啄木の生まれ育った旧渋民村も今は盛岡市。駅の正面には「もりおか 啄木」としるしてあった。

そのうちに牡丹雪が降ってきたので、早々に帰途についた。

今回の旅の経費(ひとり)
  交通費 JR   17,100
       バス    2,220
       自転車    300
  宿泊費      10,500
このほか昼食代、土産代など。
二の丸の啄木の歌碑「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心。」
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