向島界隈を歩く 1

向島百花園は「文化文政期に骨董商が交友のあった江戸の文人墨客の協力を得て、花の咲く草木鑑賞を中心とした花園として開園……開園当初は360本のウメが主体……その後詩経や万葉集などの中国・日本の古典に詠まれている有名な植物を集め、四季を通じて花が咲ようになった」(パンフレットより) 国の名勝・史跡指定の都立文化財庭園。東武鉄道スカイツリーライン東向島駅から500m。
 
 国指定名勝・史跡向島百花園。65歳以上70円。   春もやゝけしきとゝふ月と梅 ばせを(松尾芭蕉)
 
 鳥の名の都となりぬ梅やしき  千樹庵益賀   隅田川七福之内 福禄寿尊
 
こむらさき    びおうぎ
 
 白萩    山萩
 
 こんにゃくのさしみも(すこ)しうめの花
                         松尾芭蕉
  秋の野に咲きたる花を(および)折り数うれば七種(なゝくさ)の花 (はぎ)花乎花(おばな)葛花嬰麦(なでしこ)の花姫部志(おみなえし)また藤袴朝貌(あさがお)の花  山上憶良 
 春の七草と秋の七草はよく知られるが、夏の七草も園内にあったそうだが見逃した。それぞれの好みで取り上げるのだから、様々な七草がある。花は見なかったが、佐原キクウという人の秋の七草は、ねりの花(とろろあおい)、ごじ、夕顔、おしろい花、たまずきは(烏瓜)、びおうぎ、書くりんどうの花。  
 
 姫部志(おみなえし) 女郎花   朝貌(あさがお) 桔梗
 
九蓋草(くがいそう)     杜鵑草(ほととぎす)
 
 きょうげん塚。演劇作者二世河竹新七(古河黙阿弥)の追善碑。   しのぶ塚。歌舞伎の台本「しのぶ売」の正本を埋む河竹新七 の追善碑。
 
 ジンジャー。ショウガ科の多年草。    金木犀。もう咲いていた。
 
 野原を思わせる草むらに、何かの花がある?    石橋時代の日本橋石柱。徳川慶喜の書と伝える
 
池の畔には花菖蒲、藤棚なども配され、街中とはとても思われない。スカイツリーも似合わない?  
園内には何十種かの草木が自然の景観をなし、園造成に協力した文人墨客たちなども園内をそぞろ歩きしながら季節を楽しんでいたのだろう。訪れた前日は十五夜で、お月見の名残もあった。30基ほどの石碑があるそうだが、聞いたことがある人の碑だけを拾い出した。「唯一現代に残る江戸時代の花園」 
 
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