名月院から浄智寺へ
鎌倉紫陽花めぐり そして城ヶ島、観音崎へ

鬱陶しい梅雨時に彩りを添えて、心を和ませてくれる紫陽花は、各地で種類や数を増して競っているようだが関東では鎌倉の紫陽花が名高いようだ。鎌倉は仕事などで十数回訪ねてはいるが、いつもおきまりのコースで、しかも訪ねる時期が春早くで、これまで紫陽花を見る機会には恵まれなかった。少し時期が遅いとは思ったが、思い立って出かけてみた。ついでに、「雨が降る降る…」の城ヶ島から観音崎と三浦半島を駆け足で廻ってきた。例によってスケジュールに追われた駆け足のつまみ食い旅行だが。北鎌倉駅に降りたって、先ずはお目当ての名月院へ行列。
国指定史跡 臨済宗建長寺派福源山名月院。「あじさい寺」ともいわれる鎌倉第一のあじさいの名所とか。ここはあじさいのみでなく、四季それぞれにたくさんの花々が境内を埋め尽くすそうだ。
名月院の創建は平安末期で、その後北条時頼はここに最明寺を建立、時宗は最明寺を前身に蘭渓道隆を開山として禅興寺を創建、明治には廃寺となりその子院の名月庵のみが残ったのだそうだ。謡曲「鉢木」の佐野源左衛門から鉢木の持てなしを受けたあの時頼はここに眠るのか。
 
 参道は参拝者の行列。時にはこんな静かな佇まいも。
茶室「月笑亭」
   第5代執権北条時頼公御廟所。このあたりに時頼が建立した最明寺があった処のよし。
 
 北条時頼墓所。    本堂へ向かう道。
 
 鎌倉石(凝灰質砂岩)の参道。    「福源山」の山号を掲げた山門。
 
 本堂。「方丈」    「やぐら」鎌倉期特有の墳墓。上杉憲方を祀る宝篋印塔
 
 「開山堂」開山の木像、歴代の住職の位牌を祀る。    鎌倉十井の一つ「瓶の井」。現役の名水
 
 枯山水庭園。    ここは日本古来の品種の姫あじさいが中心というが?
 
 ここには約2,500のあじさいが植えられているそうだ。   猛暑で紫陽花の葉が萎れ、花時ももう終わりのようだ。 
  鎌倉五山第四位 臨済宗円覚寺派金宝山 浄智寺。北条時頼の三男で時宗の弟、宗政の夫人とその子師時を開基に宗政の菩提を弔うため弘安4年に創建。創建当時の伽藍は6棟を備え、塔頭は11院があった。(案内板)
弘安4年といえば、「四百余州をこぞる十万余騎の敵、国難ここにあり弘安四年夏の頃」の元寇の弘安の役の年だ。
 
 惣門。無学祖元が書いた「寶所在近」の扁額を掲げる。   池の上の石柱の傍らには鎌倉十井の一「甘露の井」
 
 参道。ところどころにあじさいも咲いて、日陰に入るとほっとする。    仏殿。「曇華殿」の扁額。本尊は阿弥陀・釈迦・弥勒の三如来仏。
 
庭園越しに茅葺きの「客殿」    鎌倉観音巡礼第31番札所本尊の聖観音菩薩立像
 
 「やぐら」時とともに住まいから墓所、そして倉庫、薪や木炭の貯蔵庫に。    結界に降る雨あしは光りつつ
     深き杉生のみどりにしづ舞 安藤寛

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