高尾山薬王院へ

八王子市の標高599mの山高尾山は、明治の森高尾国定公園に指定されており、様々な多くの人が訪れる。高尾山全体が山中の寺院の真言宗智山派高尾山薬王院有喜寺の寺域で、殺生禁断であり、動植物が保護されている自然豊かな所だそうだ。薬王院はその縁起によると、天平16年(744)に、聖武天皇の勅令により東国鎮守の祈願寺として、行基により薬師如来を本尊として開山。永和年間(1375)に真言宗の僧であり修験道の行者でもあった俊源大徳が入山、今の本尊の飯縄大権現を奉祀、修験道と真言宗を密接に結びつけて中興したそうだ。
 
ケーブルカー清滝駅。標高201m。客はまばら。   おそうじ小僧。掃除してくれるのか、箒を手に。
 
 全長1km。135人乗り。往復900円   最大傾斜度31°18′で日本一。立っては居れぬ 
 
 遠くに見えるのは中央道。案外近いんだ。    高尾山駅。標高472m。日本の名駅100選。
 
参道のあちこちに奉納された像が建てられている 
この像は「師子慧童子」と記されている。
   たこ杉。高さ37m、目通り6m、樹齢40年。根が蛸のようだとも、一夜で根が曲がったとも。
 
浄心門。扁額に「霊気満山」。まさにその感あり。    神変堂。修験道の開祖役行者を祀る。 
 
「殺生禁断」の碑。全山が寺の境内だもの。    左急階段の男坂。右緩やかな坂の女坂。 
 
我が精進こもる高尾は夏雲の
    下谷うずみなみとなづさふ   白秋 
   山門。山門には東西南北を守護する四天王の持国天・広目天・増長天・多聞天を祀る。
 
山門をくぐると二体の天狗が睨みを利かせる。左小天狗、右大天狗像。天狗は飯綱大権現の眷属     「願叶輪潜」輪をくぐりその先の大錫杖を鳴らすと厄除、願いが叶うというので、潜ってみたが?
 
 仁王門。運慶作とされる仁王像が安置されているそうだが、硝子が光って何も見えない。都有文   本堂。開山本尊の薬師如来と中興本尊の飯縄権現を祀る。飯綱大権現の額、萬民豊楽の文字も。
 
 仁王門の背後にはちょっと愛嬌がある剣を持った鳥の嘴の小天狗と  団扇を持った大天狗が立つ。
 
大師堂。弘法大師を祀る。周りの八十八体の小さな大師像を拝めば四国八十八箇所霊場めぐりと同じご利益。100円を1円に両替も準備がされてる    愛染堂。愛染明王を祀る。縁結び、ぼけ封じの願いを聞き届ける。堂の左右の「えんむすび」の赤い糸をしっかり結ぶんで祈る。
 
佛法僧巴と翔る杉の鉾    水原秋桜子    山頂への道。山頂へ20分とあったが、断念 、残念
 
権現堂。飯綱大権現を祀る薬王院の中心となる本社で、飯縄権現を祀る神社。   見事な彫刻と極彩色の装飾に飾られ、本殿に幣殿と拝殿を繋ぐ権現造りの社殿。
 
 権現堂の拝殿前の左右に待ち構える大天狗(右)と小天狗(左) 高尾山には一体何体の天狗像が建っているのか。見かけただけでも8体、もっとあるんだろうな。頭に頭襟(ときん)首からは結袈裟をかける姿は山伏と同じ。裸足で山野を駆け巡り、羽で大空を飛び回る神通力をもつ天狗は信仰の対象なんだ
… 高尾山を攀ぢ行けば都人に珍らしき山路の物凄き景色身にしみて面白く下闇にきらつく紅葉萎みて散りかゝりたるが中にまだ半ば青きもたのもし。
木の間より見下す八王子の人家甍を竝べて鱗の如し。
   目の下の小春日和や八王子  鳴雪
飯繩權現に詣づ。
  ぬかづいて飯繩の宮の寒きかな 鳴雪
  屋の棟に鳩ならび居る小春かなく
  御格子に切髮かくる寒さかな
  木の葉やく寺の後ろや普請小屋
山の頂に上ればうしろは甲州の峻嶺峨々として聳え前は八百里の平原眼の力の屆かぬ迄廣がりたり。  凩をぬけ出て山の小春かな …                           (正岡子規 高尾紀行)  
 
 長いお札授与所。参拝者の大群が押し寄せてきても大丈夫。    若いお巡りさん。井田誠一作詞 利根一郎作曲
曽根史郎唄 「もしもしベンチでささやくお二人さん
 
木々も色づき始めたかなあ。     木の間からどこか遠くの建物が微かに。
 
 高尾山は天狗がいっぱい。いつ出てくるかご用心   ずらりと並んだ長~い奉納者の名札の行列。 
 
 天狗の掛杉。樹齢700年。天狗が腰掛けて不埒な奴がいないかと番をしている だって。見上げてみたが、この日は見えなかったなあ。杉の巨木は高さ47m幹回り5.6mの木もあり、都天然記念物に指定。
 
 名物の蕎麦の代わりに、名物という胡麻団子でおやつ。芳ばしくて美味しく食べる。蕎麦屋は開店前    高尾山土産には饅頭や煎餅などいろいろあるが天狗の鼻棒かりんとう1袋300円だけ。
 
これから登る前に一休みの一団。向こうの方には幼稚園児の団体も見える。     ケーブルカーを待つ行列。何分待ちかな?
下山後の現在時刻10時51分。
懸念した脚の痛みもさほどなく、これなら山頂まで登れたのにと後悔しきり。八王子に出て昼食、それから国分寺と武蔵境で途中下車、ほどよい時刻に帰宅できそうだ。  

ちょっと殿ヶ谷戸庭園   INDEX

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