春の銚子の海を眺めに

さして遠くもない銚子へ行ってみたいと思っていたが、やっと念願が叶って出かけてみた。銚子は利根川の河口の街、近海漁場の基地、醤油の街、本州最東端の灯台、最近では銚子電鉄の経営努力の「ぬれせん」など、自分で確かめてみに行く。
東京から特急「しおさい3号」で約3時間もかかる。指定席の乗客は20名足らず。自由席も数えるほどしか客の姿は見えない。

銚子に着いて、ホテルのレストランで、美味しい魚の料理で昼食後、銚子の隣の旭市まで、九十九里浜を遠くからでも見たいと思って車を走らせた。


旭市飯岡刑部岬 上永井公園展望台。高さ60mの屏風ヶ浦の上にたつ。ここから銚子までやく10km屏風ヶ浦が続く。


刑部岬の飯岡灯台
塔の高さは9.8mだが、海面から74mもある。光達距離は25km。


公園の真下は飯岡漁港。
遙か遠くに九十九里浜がのびている。


高台の上には風力発電の風車が見えるだけでも30程もある。


銚子に戻って「地球が丸く見える丘展望館」へ。北総第一の高台73.6mの愛宕山に建つ。


向こうの海岸は屏風ケ浦。追い詰められた犯人がこの断崖から投身しようとするドラマがあったが。


展望台から周囲330°に水面に見えるが、丸いかな? 見えている塔は犬吠埼燈台。


一面の畑はキャベツ畑。平成18年度のキャベツ生産量1位 嬬恋村、2位 銚子市。大根は1位 三浦市、2位 銚子市


展望館の下の小さな公園には、市内の文学碑を模して建てた碑が幾つもあった。以下の3つは海鹿島(あしかじま)海岸にある。


「まてど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬさうな」 竹久夢二  この詩は海鹿島海岸で詠んだそうな。


「朝またき彼方の岸はアメリカと 聞きて爪立つ おはしまのはし」 尾崎咢堂


「大海を 飛びいづる如と 初日の出」 小川芋銭


「ここに来てをみなにならひ/名も知らぬ草花をつむ/みづからの影踏むわれは/仰がねば燈台の高さを知らず……」
  佐藤春夫 明治44年  犬吠岬


「犬吠の今宵の朧待つとせん」
                 高浜虚子
 昭和14年4月、日本探勝会の吟行で来泊  犬吠岬


「なつかしきわが故郷は 何処ぞ 彼処にわれは 山林の児なりき」
 国木田独歩。明治4年銚子生まれ 海鹿島海岸


「枯枝にからすのとまりけり秋の暮」
 松尾芭蕉 芭蕉は銚子には来なかったが。 浄国寺


君ヶ浜。東映映画の冒頭に出てくる、波が岩に打ち付けるシーンの撮影場所。左方にはしおさい公園の砂浜が続く。


君ヶ浜から犬吠埼燈台を望む。関東地方最東端の地。世界灯台100選、日本の灯台50選に選定されている。


銚子駅から銚子電鉄で、今夜の宿の犬吠まで向かう。切符売り場がない。車内で買う。どこから乗ったか自己申告。


この車両は近江鉄道から来た。他に伊予鉄道、営団地下鉄、鶴見臨港鉄道などからやってきた電車もある。


犬吠駅。絵タイルの貼ったポルトガルの宮殿風建築の駅。関東の駅百選の第一回選定26駅の一つ。廃車を利用した「電車レストラン」などもある。


義経が平泉に落ちる時、鳴き声を恐れて連れていた犬をここに置いていった。犬は主を慕って連日吠えたことから犬吠埼と呼ばれたという。


今夜の宿「グランドホテル磯屋」。天然温泉がある。もてなしの行き届いた宿。海の幸を堪能する。


部屋から燈台の回転する光を見る。長い時間見ていても見飽きないものだ。10数秒ごとに回転するようだ。

つづき

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