中禅寺湖に紅葉を狩る

日光には紅葉のスポットといわれるところが幾つもある。含満ヶ淵,、華厳の滝、竜頭の滝、戦場ヶ原、湯滝……。これまで、そのいくつかは紅葉の季節に訪ねたことがあるので、今回は中禅寺湖を船で回ろうと足を運んだ。
 
外国人に囲まれたような宇都宮からの電車を日光駅で降りると、駅前にはバスを待つ人の長い行列。ここにも外国人の姿の方が日本人より多いようだ。 次々とバスは来る。5台目ぐらいでやっと乗車でき、席を確保できた。やれやれ。
 
立ったままの乗客まで詰まったバスは、47曲りのいろは坂を登る。右側だけの車窓から見える紅葉は、ちょっと時期が早い? 
 
 バス停の近くには土産店や食堂が並ぶ。その一軒で名物という「湯葉そば」で昼食。「名物に……」でしょうか?   中禅寺湖から流れ出て、華厳の滝で落下。流れ下って裏見の滝、含満ヶ淵、神橋など通りやがて鬼怒川、そして利根川に。
 
湖畔園地にには、いくつかの船着き場があって大小各種の船が待ち受けている。    乗船した遊覧船「けごん」は定員500人。千葉県の小学生の修学旅行と乗り合わせ。児童との会話はこの旅の最大の土産。
 
 男体山(二荒山)は刻々と姿を変える。那須火山帯のコニーデ火山。標高2484m。噴出で戦場ヶ原、中禅寺湖を生む。
 
 遠くに日光白根山がちょっと顔を。 中禅寺湖の湖面標高1271m、湖岸線24km、最大深度162m、透明度18m。魚もいるとか。

中禅寺湖に至れば錦繍の屏風の中に磨とぎ出だせる一面の鏡、竜田姫の化粧道具うつくし。
  湖をとりまく山の紅葉かな                                   正岡子規「十一月の花」
 
元イギリス(左)とイタリア(右)大使館別荘。公園になっている。    紅葉は早いのか遅いのか?。船から移りゆく光景は見事! 
この一帯は早くから外国人の別荘地帯となっていたのだろう。作中の親子が車中でノルウェーの青年と会話を交わすようになる。その後、レイクサイドホテルに宿を取った親子は、近くの「南二番館」に泊まった青年と 再会する。
「あなた方は、夏は毎年何処でくらしますか」 この問は私を吃驚させた。
「東京で……」 今度は彼が吃驚した。
「東京で? おおそれはお暑い……何故ですか?」と彼は眼を瞠る。……          「若杉鳥子 南二番館さん」
 
 船は立木観音で一時停船。ここで下船して立木観音本堂。   立木観音。 山の斜面に堂が積み重なるように立っている。
天台宗日光山中禅寺 (立木観音)は日光山輪王寺の別院。本尊「十一面千手観世音菩薩」(国重要文)は、日光を開いた勝道上人が桂の立木に彫ったと伝承。本堂の上段に波之利大黒天堂、その上段に五大堂があり、それぞれ、様々な御利益があると。
 
愛染堂。愛染明王像を安置。縁結びにご利益。映画『愛染かつら』のロケ地。信州別所温泉の北向観音の桂も愛染かつらの…  
 
夏の夜や蚊につゝかれて月を見る 李喬(紀伊国屋文左衛門)     「身代わり瘤」痛いところを触って瘤に触れると、身代わりに。
 予定では華厳の滝や新装なった陽明門なども立ち寄る予定だったが、土産も買わず、まっすぐ帰途に。 

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