横根高原井戸湿原

栃木県粟野町(現鹿沼市)に、「小尾瀬」といわれる湿原があると聞いていたので、季節は最適ではないらしいが、東日本は終日快晴だという天気予報を信じて出かけた。粟野は、日光山系の南端の山地に入り組んだところに位置し、「清流と蕎麦の里」を看板に掲げて地域振興を図っている。この地域は、大麻の生産地で現在日本一の生産量とか。これは「麻布用大麻」で、麻薬とは関係がないそうだ。60年前ぐらい、地理の学習で、「鹿沼は麻」と学んだことを思い出した。それが今日まで続けられているのそうだが、その麻の姿は無かった。麻の後作に蕎麦が栽培されるのだそうだが、蕎麦の方が看板になった。


幾筋もある清流の一つ永野川で釣り糸を垂らす姿をあちこちで見かけた。ヤマメなどがねらい目らしい。中には路傍から釣り糸を垂らす人も。


特産の蕎麦畑が花盛りだった。町内には、地元で収穫した蕎麦を石臼でゆっくり製粉し、清流の水で作った手打ち蕎麦の店が何軒もある。


つづら折りの細い「県道」を、こんもり茂った木立の中を登って粕尾峠に達した。対向車が無くてほっとした。


峠のその先を進むと足尾町。ここから右折して「前日光高原」へ進む。このあたりは「前日光県立自然公園」となっている。


ここは「前日光牧場」でも家畜は何も見えないが……。天気予報は晴れの筈!ここは標高1300mほど、半袖では寒かった。


牧場の中を暫く行くと市営「前日光ハイランドロッジ」 宿泊、入浴、食事も出来る。
大人一泊6300円。


「いた!」牧場の牛がいた!たった一匹だけ? まだ別の場所にいるのだろうな?


有刺鉄線の柵に閉じこめられた乳牛数頭。身動きも出来ないようだが、お仕置き?


やっと牧場らしい景色にであった。こちらは乳牛、通路を挟んで和牛も数頭見かけた。区分けされているんだ。


牧場の柵に沿っていくとこの標識。どうやって注意したらいいのでしょうか。それを教えてください。湿原0.5km(標識1)


湿原への道すがら、各種の説明板があるが、読めない。ここには鹿、狸、狐など多彩な動物が住んでいるようだ。


少し歩いていくとまた「井戸湿原0.5km」 湿原が動いたのかな?横根山(1,373m)は登れないなあ。(標識2)


生い茂る木立の中を進む。あと0.1kmだって。(標識3)


サラシナショウマ(?)


斜面を下っていく。傍らに水が流れているが、これが湿原に流れ込むのかな?


標識3から5分ほど歩いたのに、ここでも湿原まで0.1km?


通路にネット。鹿が湿原の植物の食害を防ぐので通ったら閉めてとの表示。湿原の周りに張り巡らしてあるのだそうだ。


ここが「井戸湿原」。標高は1,280m、面積約3.5ha、東西約500m、南北60〜140mの由。


ホソバトリカブト?


? 図鑑をめくったが見当もつかない。


? 湿原の中央に小さな流れがあった。


オトギリソウ?


季節により水芭蕉、ワタスゲ、アキノキリンソウ、マイヅルソウ、サワギキョウが咲き、各種の躑躅が山を彩るという。


? どれが湿原固有の植物か分からない。花だけでなく、各種のシダ、ミズゴケ、ゼンマイなどの群落もあるのだそうだ。


この日、湿原での道で、年配の登山者に一人であっただけ。訪れた季節を間違えたのだろう。ロッジで蕎麦を食べて帰宅。


帰途、今はトンネル開通で廃道のようになった「大越路峠」に立ち寄った。勿論通る人はいない。


「山路来て何やらゆかしすみれぐさ 芭蕉翁」
峠に句碑があるというので立ち寄った。


峠からの眺望。ここは標高どれほどかなあ。峠道は桜並木になっていて、春先には見事に咲くのだろう。

案内書に見事な紅葉の写真があった。紅葉の見頃は10月中旬からとある。
それも見に行きたいけれど、あの道ではためらってしまう。新たな道路工事が続けられているから、それが開通したら出かけたいものだ。

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