昭和記念公園から国分寺へ
このところ連日のようにぐずついた天気が続くなか、珍しく晴天だという予報で、ちょっと戸外の空気も吸いたいものだと思って、先月下旬、予てから一度は尋ねたいと思っていた昭和記念公園へ出掛けました。大宮から貨物線と武蔵野線を使った八王子直通電車で立川へ、そこで青梅線に乗り換えて西国分寺で降りました。この公園には出入り口が周辺に八ヶ所もあるのですが、公園に直結しているし、自転車も借りられるのです。改札を出るとそのまま眼の前に公園はあります。ここは昭和天皇御在位五十年記念事業として、米軍立川基地跡地の一部を公園にしたところだそうです。

入園すると先ず自転車を借りました。自転車を貸し出すセンターには、多分数十台以上の大小の自転車が並んでいます。二人乗りも見かけました。園内は、歩道と自転車道は別に設けられており、しかも一方通行で、往路と復路に分かれています。各所に駐輪場があります。そこに自転車を置いて付近を探索する仕組みです。自転車道は園内を一周するように伸びており、そこから枝分かれしていろいろな施設にも行くことまできました。

限られた時間ですから、園内すべてに足を運ぶことは出来ません。通りかかった処は花木園、水鳥の池、野草の小道、日本庭園、盆栽苑、子どもの森、運動広場、渓流広場などです。園内には、売店、レストランやカフェなども点在しております。また、バーベキュー場、プール、運動広場など様々な施設があって、のんびりと一日中遊んで過ごせることができるようです。この日は、どこかの幼稚園児達の遠足らしい集団や、種々の遊具があるコーナーでは幼児達が嬌声を上げて遊んでいました。日本庭園の池の周りでは、カンバスを立てて筆を動かす人も何人も見かけました。

広い芝生の広場も水鳥の遊ぶ水辺も、紅葉の始まった森の中の道路もいいところでしたが、一番のお気に入りは、地泉回遊式庭園の日本庭園です。数寄屋造りの建物では、抹茶の御接待もありました。茶室もあるようですが、戸外のベンチで作法お構いなしのお手前を広い池を眺めながら戴くのは、格別でした。四阿、木橋、瀧なども景観に趣を添えていました。公園にいたのは3時間程で、少し離れた処には木工房、里の農家、花とみどり文化センターや昭和天皇記念館もあるそうで、そこまでは足を伸ばせませんでした。

訪れたときは、ケヤキやイチョウ、カエデなどが紅葉のし始めのころですが、色鮮やかに紅葉を見せてくれる木もあり、数日遅いと真っ盛りになるかな。春は桜や菜の花などと季節季節の花が彩るそうですから、花情報を元にもう一度足を運んでもいいのでしょう。

ここは立川基地の跡地、飛行場の跡地だとすると、緩やかな起伏や池などは大規模な工事で造成したのでしょうが、一抱えもあるような太いケヤキなどの樹木は移植でもしたのでしょうか。ちょっと不思議でした。

この三年の内の私の旅の途次で、たまたま国分寺址に出会うことが数回もありました。以来国分寺が気になり、今年は自分の住んでいる下総の国分寺址を尋ねてきました。昭和公園の近くには武蔵国分寺があったというので、西国分寺の隣駅の国分寺へ足を伸ばしました。駅から一キロほどの処に、国分寺址、国分尼寺址が史蹟として保存されています。勿論残るのは礎石だけですが、大きな伽藍であったことは分かります。直ぐ近くに名称を引き継ぐ武蔵国分寺があり、寺域には万葉集に歌い込まれた植物を集めま万葉植物園もありました。近くには資料館もありましたが、ここは時間も無かったので立ち寄りませんでした。

雨続きで家に閉じこもって鬱屈したような日々から抜け出して、青空の元を漫歩するのは、格別の味でした。
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