伊東の山と海と温泉と
伊豆半島東岸の温泉地、伊東へ足を運びました。孫の家族が計画して誘ってくれたのです。横浜で合流して踊り子号で一直線。駅前で昼食。なんと伊豆半島で信州のそば処の戸隠蕎麦。物流が発達している今日ですから、産地から材料を運んで提供できるのですから、看板に偽りはないのでしょうが、なんとなく違和感がしました。たくさんのメニューの中から「さくらえびおろしそば」を選び戴きました。この蕎麦は戸隠にはない伊東の料理です。おいしくいただき違和感はどこへやら。

伊東は、以前訪ねたことがあるので、そこを避けて初めての地を車で案内してくれました。この日案内してくれたのは、駅から10キロあまりの大室山という山です。麓に着いて眼の前の山を見上げたとき吃驚しました。一つのきれいな円錐形の小高い山が全山草に覆われていて、その中に山頂に向けてリフトが満席の人を乗せて上り下りしています。どういうわけか大きな鳥居を潜って、リフトで山頂に向かいました。国の天然記念物に指定されているそうです。貰った資料には「4000年前の噴火で出来た円錐形の火山で、底面の直径1キロ、高さ300メートル」とあります。山頂部には直径300メートル、深さ70mの噴火口があいていました。起伏がある噴火口の1キロの周りを歩いてみました。「360°の大パノラマ」が開け、伊豆七島も見えるそうですが、この日は見えなかったようです。噴火口を見下ろすと、そこではアーチェリーをしている人が小さく見えます。また、そこに小さな社がありましたので、麓の鳥居の謎が解けました。浅間神社だそうですが、70mを昇り降りしなければ参拝できません。神社には人影はありませんでした。伊豆には何回か来ておりますが、こんなところがあるとは知りませんでした。大室山の他に小室山も近くにあるそうすが、同じような山なんでしょうか。

大室山の麓に「さくらの里」という公園があり、そこには何種類かの桜の木が植えてあります。行ったときにはちょうど十月桜がちらほらと花開いておりました。ここからは大室山の山容がよく分かりました。

その夜の宿は、霜焼けで湯温の高い湯船には、つかれない私を気遣って、温泉付きの部屋を取ってくれました。加水して少し湯温を下げで、湯船に身を沈めることが出来ました。おかげさまで夕べと朝と、ゆっくりと入りことができました。この宿は自家源泉を持ち、玄関ホールに接して大きな足湯があります。大浴場、露天風呂もありますが、これらは残念ながら私の足では入ることは出来ません。でも、ちょっと覗いてみました。「健身湯」と看板がありますが、命名したのは伊藤博文だそうです。この宿の前身は伊藤博文の定宿だったとか、脱衣室には大きな額に伊藤博文の書が展示してあり、写真もありました。伊東さんと同じ源泉の湯に入って、健康な身体になってくれればうれしいものですが。

翌日は当初の計画にはなかった物見山公園に寄って貰いました。ここは平安の昔この地を治めていた伊東氏の館跡と伝えられているそうですが、遺構らしいものはありませんでした。そこから、道の駅マリンタウンへ向かいました。ここには、土地の様々な物を売る売店、温泉、それに遊覧船も就航しており、その半潜水式水中展望船とやらに乗りました。45分で一廻りしてくれます。一階には水中展望する小窓が左右に並んでいて、大小の魚が泳いでいる姿を見ることができます。ただ、魚が見えるのは港の出入りのスピードの遅い時だけ。そんな時は、二階へ上がってカモメの餌やり。えびせんを投げたり指で差しだしたりと、大騒ぎしてみんな楽しんでいました。昼食の後、店内を土産物探し。

「土産」物ですから、その土地の産物、伊東で出来たものであってほしいものです。商品の製造者を見ると沼津や小田原なども随分多く、伊東産はあまり多くはありません。まあ、」近隣ならよしとしましょう。昔、熱海土産の熱海のシールを剥がしたら、たしか日光という文字が出てきたという新聞記事がありましたが、今時、これはないと信じたものです。製造者ではなく、販売者表記の物はさて、どこで作っているのでしょうか? まさか中国?
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