蓑虫庵

「蓑虫庵は芭蕉五庵の一つ。蕉門伊賀連衆服部土芳が結んだもので、元禄元年(1688)3月4日に入庵した。その数日後に芭蕉翁が訪れ、面壁の像を描き【みのむしの音をききにこよ草の庵】と讃して与えたので…【みの虫庵】と呼ばれるようになった。」(庵資料)
土芳は「蕉翁句集」「「蕉翁文集」らを筆録するなど芭蕉の偉業を伝えるに力を尽くした、ともある。

訪ねたのは開館時刻の8時30分前。それでも庭の落ち葉を掃いていた係の女性が快く迎えてくれる。芭蕉生家と芭蕉記念館の三館共通券   を買い求める。

係の女性が「ここは蚊の多いところだから蚊取り線香をお持ちなさい。」と自分が使っていた線香を貸してくれた。なるほど、草木が生い茂って池もあり蚊が出そうでもあるが、いかにも俳人が籠もるのにふさわしいしっとりとした閑寂な雰囲気だ。
 
 蓑虫庵表門。   「中門」ここからが「蓑虫庵」というのかな?
 
 「古い池や蛙飛びこむ水の音 はせを」 碑にも蛙が。    「古池」 この蛙は池から上がったのかな。
   
「みの虫の音を聞かはやとこの庵 黄子園」    「卒度往て若菜摘はや鶴の傍 土芳」
 
 「よく見ればなづな花咲く垣ねかな はせを」    「服部土芳墓」
 
 「芭蕉堂」 右の芭蕉像を安置する。    「舟仙作芭蕉像」
 
 「みのむしのねを聞こよくさの庵 はせを」    「蓑虫庵」正真正銘の蓑虫庵。
 
 六畳と三畳の二間に板の間。    「芭蕉翁□□」 卯観子笠翁八十有二図
 
 「蓑虫庵東門」芭蕉はここから出入りしていたそうだ。    「わらじ塚」芭蕉らは西門を入ってこの井戸で足を洗った
白萩が咲き、薮蘭が咲き  係の女性は時折掃除の手を休めては説明してくれる。もっとゆっくりしたかったが、レンタサイクルを走らせて、芭蕉の生家などへ向かった。

芭蕉生家などを訪ねる    INDEX

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