更科紀行
芭蕉
さらしなの里、おばすて山の月見んこと、しきりにすゝむる秋風の、心に吹さはぎて、ともに風雲の情をくるはすもの又ひとり、越人と云。
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姨捨山
俤や姨ひとりなく月の友
いさよひもまださらしなの郡哉
さらしなや三よさの月見雲もなし 越人
ひよろ/\ と尚露けしやをみなへし
身にしみて大根からし秋の風
木曽のとち浮世の人のみやげ哉
送られつ別れッ果は木曽の秋
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